不眠症
日本人の約20%が不眠症に悩んでいると言われています。特に中年以降になると不眠症の割合は高くなってきます。不眠症は、睡眠障害や入眠障害とも呼ばれますが、普通神経症の主な症状にであります。不眠症とは睡眠時間の長さで決まるのではなく、目覚めた時にだるさや、眠気があり、日常生活で支障をきたすことによって判断されます。つまり睡眠時間ではなく目覚めた時の不快感によって判断されます。そして、今夜もまた眠れないのではないかと不安になるのが、不眠症の予期不安と言われているものであり、神経症から来る不眠症の場合の、典型的な特徴になります。また、不眠症に悩んでいる人は同時に慢性的な頭痛や肩こり、慢性疲労症候群、更年期障害など自律神経失調症の症状に悩まされている場合が多いようです。しかりと不眠症のことを学んで不眠症を治療し解消しましょう。
不眠症の種類
不眠症には大きく分けて4種類あります。この種類によって不眠症治療が大きく変わってきますのでまずはどのタイプかを知ることが不眠症治療に第一歩です。
1.入眠障害
寝つきが悪くなかなか眠れなく、不眠症で一番訴えの多いものです。それを苦痛と感じていれば不眠症の疑いがあるとされいます。
2.中途覚醒
夜中に何度も目が覚めて寝付けなくなるタイプの不眠症です。高齢者に多く見られることが特徴です。
3.熟眠障害
眠りが浅く、十分な睡眠時間をとったつもりでいても熟睡できた感覚がなく、 心身の疲労も回復できないタイプの不眠症です。高齢者の不眠や神経質な人がなりやすいといわれています。
4.早朝覚醒
朝早くに目が覚めてしまい、そのまま寝付けなくなるタイプの不眠症です。高齢者によく見られますが、若い方でも中途覚醒とならんで、うつ病の初期症状tして知られています。うつ病の可能性も視野に入れ、治療を受けましょう。
不眠症の原因
1.身体の不調が原因
痛みやかゆみ、咳や喘息、悪性疾患の癌やアトピー性皮膚炎、あるいは熱やかゆみなど体調を崩していることや睡眠時無呼吸症等の身体的不快が原因によって不眠症になります。不眠症の原因となるような身体疾患や精神疾患が存在する場合は、まずそれら基礎疾患の治療を行わなければいけません。
専門医を受診し、診察、治療を受け不眠症を治しましょう。
2.環境変化が原因
睡眠環境の変化、生活リズムの変化、たとえば、短期間の入院、不適切な睡眠環境、時差ぼけ、交代制勤務、枕が変わるなど環境の変化が原因によって起きる不眠症です。また暑さや騒音、明るさなどの影響で眠れなくなってしまう場合もあります。この場合はだいたい数日で改善しますが改善しない場合は病院で治療を受けましょう。
3.精神的ストレスが原因
精神的なストレスやショックなどの原因で眠れなくなってしまう不眠症です。人間誰にもストレスは多かれ少なかれありますが、そのストレスが過剰になってしまうと不眠症になってしまいます。このような不眠症は多くの場合、治療をしなくても時間が経てばその状況に慣れて眠れるようになります。
4.精神疾患に伴うものが原因
神経症、躁うつ病、精神分裂やアルツハイマー型痴呆のような脳の器質性疾患等原因による不眠症です。精神病の多くでは特に発症の初期や再燃期に不眠をよく伴います。例えばうつ病と不眠症は関係が深く、うつ病の症状の一つに不眠が挙げられます。この場合は心療内科などの専門医の治療を受けることが必要です。
5.薬やアルコールが原因
薬の副作用やアルコール、カフェインの摂取が原因によって起きる不眠です。薬やアルコールは眠れなくなった時に飲むという方もいますが、アルコール、抗精神病薬、抗うつ薬等でも不眠を生じます。薬やアルコールは慢性的になってくると次第に摂取量も多くなってしまいま不眠症が強くなるといった悪循環となってしまいます。
これらの原因でも多いのが、精神的ストレスで起きる不眠症です。1ヵ月以上続いてしまう長期性の場合は専門医の治療を受けることをおすすめします。さらに不眠症が原因で更に喘息、心不全などの内科的病気にもなってしまう可能性がありますから早期に医師に相談し治療を受けることが必要です。
不眠症の治療法
手軽に出来る不眠症の治療法として3つ上げておきます。これでも改善しない場合は病院で治療を受けましょう。
1.適度な運動
眠気と体温の変化は深く関係しています。深部体温が下がっている間が眠りにつきやすく、永い眠りに付くことが出来ます。そこでこの関係を利用するには、就寝の2〜3間前に30分〜1時間程度軽く汗を流すと効果的です。
2.適度な温度で入浴
入浴は運動と同様に、体温を上げる他に筋肉をリラックスさせる水浴効果と心身の緊張の緩和や不快感を取り除くという心理効果であります。お湯の温度はややぬるめの40℃程度で30分程度の入浴がいいでしょう。
3.規則正しい食事
朝食は脳の働きを活発にし、体温を上げて眠気を覚ましてくれます。また生活にメリハリができ、日中の覚醒度が高いほど夜に良い睡眠が取れます。ですので朝食はしっかり取りましょう。また夜遅くの食事は避けましょう。消化中は睡眠を妨げます。時に肉類は消化に時間がかかるので気をつけましょう。どうしても空腹で寝付けない時は温かい牛乳などを少量摂取しましょう。
不眠症は病気です。不眠症をほっておくと体調が悪くなったり、仕事にも支障をきたします。また上でも述べたように違う病気も引き起こします。自分で工夫することで解消できるものは安心でが、不眠症自体も病気が原因で起こっていることもあるので1度病院で診察を受けることが大切です。大丈夫、大丈夫といってほっておくと重大なことになりかねません。小さな労を惜しんで大きな労になる前に病院にいきましょう。後悔は後に立たずです。